シプシックの物語を構成している15の話は，一度に登場したのではなく，1962年の初版の 『シプシック』 (Sipsik) から 1970年の 『アヌとシプシック』 (Anu ja Sipsik) までの４冊の本で出揃ったものである。
| 1962 | Eno Raud: Sipsik. (Eesti Riiklik Kirjastus) | [６話] |
| 1969 | Eno Raud: Sipsik. (Eesti Raamat) | [７話] |
| 1969 | Kirju-Mirju. Ettelugemist koolieelsetele lastele. (Eesti Raamat) | [５話] |
| 1970 | Eno Raud: Anu ja Sipsik. (Eesti Raamat) | [５話] |
この４冊の本のうち，『シプシック』 という名前で出された最初の２冊は，1969年に出た版で 「アヌ，５歳になる」 という話が加わったが，その他の６話は共通である。
1970年にでた 『アヌとシプシック』 には，1969年にでた 『シプシック』 に収録された７話と重複しない，次の５話が収録されている。この意味で 『アヌとシプシック』 は 『シプシック』 の続編とみることができる。
『シプシック』 にも 『アヌとシプシック』 にも出てこない残りの３つの話は，1969年にエノ・ラウト編で出た童話集 『いろいろ，たくさん』 (Kirju-Mirju) のなかにのあちこちにちらばって，他の作家の作品とともに収録されている。なお，この童話集にはこの３話の他に，『シプシック』 に出てくる話と 『アヌとシプシック』 に出てくる話がそれぞれ１話ずつ収録されている。
なお，ヴァルテルが挿絵を描いていないシプシックの話は，この童話集 『いろいろ，たくさん』 に出てくるものだけである。